やまとたちばなの花酵母で醸した日本酒「橘香」を 答志島の3神社に奉納させていただきました

2025/11/28

 2025年11月21日(金)、答志島の神社3ヶ所に新酒「橘香」を奉納させていただきました。「橘香」は、鳥羽産やまとたちばなの花酵母を大事に保管していた鳥羽商工会議所とのご縁で誕生した純米吟醸酒。やまとたちばなは絶滅が危惧される日本原産の柑橘種で、答志島の方々が木を守り繋いできました。鳥羽市の木にも指定されています。

 発酵が安定している協会酵母と違い、野生酵母を用いる日本酒づくりは大変難しく、事に酒が完成したのは蔵人の祈りが神に届いたおかげと奉納を決意しました。

 桃取八幡神社、美多羅志神社、答志八幡神社はいずれも島の繁栄と大漁祈願の神社として篤く信仰されており、神前で自然の恵みに感謝すると共に酒販事業に一層注力する決意を新たにしました。

 


桃取地区の八幡さま

 

 

 

 鳥羽佐田浜港から船で約12分。最初に向かったのは、答志島の桃取地区にある桃取八幡神社です。創立年は不詳ですが、古来から応神天皇を祀っていたとされ、1月の弓引神事では地域の繁栄と大漁が祈願されます。急な石段を登っていくと大山育子宮司が出迎えてくださり、「橘香」誕生の経緯をヒアリングしていただきました。それを踏まえた祝詞を奏上いただいた後、神前に橘香を奉納していただきました。

 大山宮司は新しい試みとしてオリジナルのお守りを考案されており、やまとたちばなの実と葉の色を表現した「ときじくのみ守」を記念に戴き、ご縁を感じました。

 

 

 


美多羅志神社の参道にやまとたちばな

 

 美多羅志神社は、答志島の北東部にあたる答志地区の守り神。参道のすぐ隣にやまとたちばなの木があり、黄色く小さい実をたくさん実らせていました。「良い香りがするんだよ」と島民の方が葉を一枚ちぎって香りをかがせてくださり、レモンやすだちに似た爽快な香りは潮風と日当たりに恵まれた答志島に似つかわしいと感じました。

 「橘香」奉納にあたっては、神社総代と氏子の男性が奉仕に加わってくださり、やまとたちばなの日本酒ができたことを我が事のように喜んでくださる様子をうれしく拝見しました。今回奉納した答志島の3神社は、秋の例大祭が11月22・23日に行われる直前でしたので、神様と氏子の皆様に橘香を味わっていただくには絶好の機会になりました。

 

 


小島の高台にある答志八幡神社

 

 

 赤い橋を渡った小島の高台におまつりされている答志八幡神社。こちらも島の伝統行事である神祭と弓引神事が有名です。千木と鰹木が伊勢神宮の外宮と同じ形式の社殿を拝しながら、橋本宮司により丁重に祝詞奏上と奉告が行われたのち、玉串を奉奠させていただきました。

 答志八幡神社でも鳥居の隣にやまとたちばなの木が大きく枝をのばしており、絶滅の危機にあったやまとたちばなが住民たちの熱心な植樹活動によって命を吹き返したのだと感じました。「橘香」を通じてやまとたちばなの存在と、伊勢志摩の豊かな自然を感じていただけるよう、酒販事業に一層力を注がねばと感じた新酒奉納でした。

 

【このたび奉納させていただいたお酒】

 純米吟醸「橘香」500ml  三重県産酒米「山田錦」使用

 鳥羽産やまとたちばなの花酵母で醸した濃醇な風味が特徴です。

 

 

 

 

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