お伊勢さんエッセイ

「遠くにいてしょっちゅう伊勢には行けないけれど、その様子は常に気になる」というお伊勢さんファンのみなさん。
毎月1日、朔日参りの風景と伊勢神宮をさらに深く知るためのお話をお届けします。

皇學館大学名誉教授・櫻井治男先生による
お伊勢さんエッセイ⑫
「とし」の祈りと聖なる劇

2021.02.01

日本人にとって、稲はまさに命の糧でした。稲作を巡っては、各地でたくさんの行事や神事が行われてきました。今回は、古くから国家祭祀のひとつであった「祈念祭」について紐解いてみます。

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2021.02.01

今月もまたコロナの終息を祈る〜如月・朔日まいり

朔日餅は、整理券をもらって並ぶシステムに。まだ日が昇らず底冷え。
明るくなってからお参りしようと決めて、いつものように朔日粥で腹ごしらえを。おかげ横丁にある「海老丸」さんの“真珠貝柱雑炊”。
空が明るくなり出した宇治橋前。
今朝は、玉砂利からも冷気が感じられるほど。スニーカーではなくブーツで来るべきだったと反省。
西の空には、月の姿も。
神宮内にもあちこちに「感染防止のため・・・」と書かれた看板が。
御手洗場。水量だけでなく、人も少ない。
二の鳥居。正宮に近づくに連れ、だんだん明るくなってきた。
正宮手前の参道右手にあって、いつも気になっていたこの実。野生のミカンなのか?
まだ御扉の開いていない正宮を階段下から臨む。
正宮からでてこられた神職さんに遭遇。荒祭宮に向かう。
四至神(みやのめぐりのかみ)。内宮の宮域を守ってくれている神様。
毎年、お正月の参拝客のために増設される御札等の授与所。今年ももう少しで解体されるはず。
鳥たちが行き交っていた木立。神宮の森にはいろんな種類の鳥がいて、鳴き声もさまざま。
五十鈴川には白鷺の姿も。

 今日はとても寒い朝でした。日の出は6時51分。緊急事態宣言の延長などもあってか、おはらい町もまだまだ沈んだ様子です。 

 参拝する人も、例年に比べるとかなり少ない様子でしたが、神宮はいつもと変わらず厳かな雰囲気で迎えてくれました。人が少ないせいなのか、春が近づいているからか、今朝は神域で鳥の声がよく響いていたように思います。どんなときでも自然のサイクルは止まることなく巡り繰り返されているんだなぁと感じました。

 思えば、昨年3月に連載が始まってから、毎月コロナの終息を祈ってきましたが、まだまだ先は見えません。けれども、なんとかwith コロナの生活にも順応し、少しずつでも前を向いて進んでいけるような気がしています。

 本日正宮に到着したのは6時40分頃。目を閉じて頭を垂れていると「ぎー」という重々しい音が聞こえてくるではありませんか。前を見ると御扉が開いていました。ちょうど神職さんが御扉を開けてくださる時間とぴったりあったみたいです。そのあと、荒祭宮に向かうと、正宮で神様にご挨拶された神職さんが荒祭宮に向かわれる姿に遭遇。後をついて、荒祭宮でお参りして戻りました。

 一年続けた朔日まいり。早起きは決して得意ではないのですが、新しい月を迎える節目として、気持ちが引き締まるこの習慣は今後も続けたいと思っています。季節ごとの姿で迎えてくれる神宮は癒やしであり、心に力を与えてくれる場所だと感じます。記事を読んでくださっているみなさんにも、この力が届きますように。(編集部・C)

皇學館大学名誉教授・櫻井治男先生による
お伊勢さんエッセイ⑫
「とし」の祈りと聖なる劇

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